「この世界の片隅に」感想
家の近くの映画館でも公開になったので「この世界の片隅に」を見てきました。見終わった今でも考えがまとまらないですが、感想を。ネタバレは無しで。
最近の映画では「君の名は。」や「シン・ゴジラ」のどちらも見ていて、「この世界の片隅に」は正直この2つほどではないだろうと思ってました。が、違いました。
「君の名は。」は、アニメーションというより絵画そのもので、「絵」が連続して動く一瞬一瞬が息を飲むほど美しく、開始数分で映画館で見て良かったと心から思える内容でした。後にジブリ映画の背景担当スタッフを多く雇い入れて作られたと知りましたが、「絵」に対する情熱をこれほど感じた映画は初めてでした。
「シン・ゴジラ」は、セリフ回しや場面転換に圧倒されつつ、津波や原発、エヴァンゲリオンなど多彩な連想が引き出されるため頭を使い、なんとも消費カロリーの高い映画でした。「現実 対 虚構」のテーマに違わず、ゴジラの出現に想定しうる現実的な対応が繰り出され、そのドラマを色んな観点から楽しめた内容でした。
と、それぞれ見どころが有り自分の中で楽しめたものが多い映画だったのですが、「この世界の片隅に」はまったく違うベクトルで胸に来るものがありました。
思うに、「君の名は。」や「シン・ゴジラ」は言ってしまえばエンターテイメントで、そこにある感動や興奮はフィクションとして捉えることができました。ただ、「この世界の片隅に」は既に起きた現実がテーマで、登場人物の感情はどうしても現実の世界とリンクして、胸に深く入ってきました。淡々とした、でも幸せな生活が戦争により変えられていく過程を見るのは、正直つらかったです。
そういえば、ゴジラの原点はまさに「この世界の片隅に」で起きたことそのものなので、なんとも運命的な作品が続いたなぁと思いますね。
うーん、まとまりません。。
カロテン