サブログのログ

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うんこに問う

今年、30になった。

 

世間で「いい歳」とみられる年齢だが

正直実感はない。



結婚もしていないし、

だから当然、子供もいない。

 

いまだに実家暮らしで

日々、母親の作る飯を食らっている。

 

今年の6月に決まった新しい職場も、

早くも辞めることを考えてしまっている。

 

地に足をつける気も起こらず、

まだまだ、ふらふらと彷徨っていたいと思ってしまう。



FACEBOOKのタイムラインで、

子供の写真付きの

同級生たちの近況を見ては、

立派になった彼らの姿と自分とを比較して

なんとも言えない居心地の悪さのようなものを感じ、

ウインドウを閉じてしまう。



家庭を築き、

キャリアを積み、

社会とも折り合いをつけて生きている彼らは、

一緒になって「うんこ」と叫んで喜んでいた頃とは

別人になってしまったように思えてならない。



道端で犬のうんこを見つけては、

学校の個室便所にいるやつを見つけては、

蚕の幼虫のゴマ粒ほどのフンをみつけては、

いつも腹を抱えて大笑いしていた。

 

そんな楽しい時代を共有した仲間たちが、

今ではわが子のうんこの世話を

粛々とこなすようになってしまった。

 

うんこはすでに

生活に刺激を与える存在から

家事の一部、

日々のルーティンに変わってしまったことだろう。

 

うんこの処理を

「こなすべきタスク」としている彼らはもう、

うんこを見てあれほどの大笑いをすることは、

残念ながらありえ無い。



私にしても、

いつまでもうんこで

大笑いし続けるわけにはいかないのだろう。

 

世間は、

世間が作り上げた

「年相応」たる振る舞いを強烈に求める。

 

私ほどの年次のものが

「うんこで喜ぶ」ことを許してくれるはずもない。



かといって、そのことに特段抗う気持ちも無い。

私一人、うんこで喜ぶ姿は、

誰の目にも奇妙に映ることを

私はとうに知り抜いていた。



しかしながら、

許されないことと知りながらも、

もう二度と叶わないと分かっていてもなお、

 

友とうんこを語らい、

笑い、

楽しい時間を分かち合うことを

 

願ってやまないのである。



――あの素晴らしいうんこをもう一度。




                    ピンス